やっとお城へ
それから、5日後、
今度こそ、やっとお父様に付いて、お城に行けました。
・・・図書館は面白かった。
簡単な話なら読めるようになってきたし。
あっ目的忘れるところだった。
王様に会わなきゃ。
でもどうやって?
こっそり抜け出して、見たことある所まで移動しよう。王妃様達の所まで着けば・・・
と思ったら、どこも同じに見える。
後ろを見ても同じに見える。
・・・迷った。
仕方がないので、しばらく歩いていると、ざわついてきた。
人がいる。
『あの~・・・』
「「「いた!」」」
「図書館長の家のエメラーダお嬢様?」
『・・・はい。』
「よかった~お父様とお兄様が血眼になって捜してるんだよ」
「一人で歩くと危ないからね」
『・・・はい。ごめんなさい。』
お父様に涙の再会を一方的にされていると、王様が呼んでいるという。
やった!村の情報を聞き出してやる!
でも、周りに大勢居るし、詰め寄る事も出来ないな・・・ジルさんに迷惑かけるわけにもいかないし。
「お前が騒ぎの元のエメラーダか?だめだぞ。箱入り娘が一人で歩くと危ないからな。」
ニヤっと笑う顔が腹立たしい。
『(くっ)お騒がせして、申し訳ございませんでした。以後、気を付けます。』
「そういえば、ケーキを焼くのがうまいとか聞いたが?食べてみたい、一度、王妃達のお茶会で作ってもらえないだろうか?」
『(知らないふりする気か!)私の作ったものでよろしければ。』
「では、頼む。」
『はい。』
・・・結局何も分からなかった。
ジルさんは、遠くの情報は手に入らないらしい。
図書館長だもんね。政治に関わってないし。
お茶会にかけよう。
タヌキ国王め~負けるもんか!絶対帰ってやる!
「エメラーダお嬢様のケーキが、王妃様達のお茶会で振舞われるんだよ!」
「すごいわね~!さすがうちのお嬢様!」
家中大騒ぎになっていた。
いつ、この家のお嬢様になったんだろう。