王子様たちは・・・そして村の方向性
皇太子はちょっぴり(?)おしゃべりです。
やっかいなの・・・もとい、皇太子様は4人兄弟の3番目のお兄さんだそうです。
1番目は駆け落ち。
2番目は旅行に出たきり戻ってこない。(逃亡)
4番目はド田舎の領地に逃げたまま、引きこもって出てこない。(シンさん)
逃げ遅れた、3番目が継ぐことになったらしい。
「どこから来たんだ?どうやってきたんだ?父上にはいつ知らせるんだ?結婚式はいつなんだ?都でやるんだろ?お祝いは何がいいかな?それから~○△□×」
すっごいよく喋るな。そして、ケーキをムシャムシャ。
「城では甘いものもめったに食べられないし今日はいいな!シンは毎日ケーキを食べられるのか?私もケーキが作れる嫁が欲しいな。うらやましい!」
「・・・・・(* *;)」
シンさん、気を確かに!
『あの~私、嫁じゃありませんから。単なる居候で・・・』
「なぜだ?いいじゃないか。結婚すれば。そうだこのまま明日結婚式してしまおう!私が立会人になるし大勢居るし賑やかでいいじゃないか。」
息継ぎ、いつしてるんだろう。口を挟むすきがない。
そもそも、弟(しかも一応王子?)の結婚、軽く決めていいのか。
「父上に報告しないとな。そうだ!このまま都に顔を見せに行こう!」
シンさんがこっそり耳打ちしてきた。
「早く逃げないと、都に連れて行かれる。そして、兄上がいなくなったら、確実に王位を継がされる・・・帰ろう。」
『賛成です。(とてもシンさんに王様が務まるとは思えないし、領主様いないとみんな困るし)』
女性陣に、落ち着いたらお茶会を開くからぜひ来てね!向こうの国のお菓子作るからね!
と声をかけて、帰る事にしました。
早く周りに土地が回復してるとこ見せなきゃ。
シンさんがいつまでも貧乏領主で終わると思うなよ!
ちょっと性格が地味なだけで、良い領主様なんだから!
帰りの馬車で、いろいろ考えた。
甘いものに飛びつく皇太子とお姫様たち。
パーティーでも、甘いものは果物がちょっとだけ。
『つまり、こちらでは、甘いものが超貴重?』
「王の口にもめったに入らない。君が来てから、私の生活は王より上だな。今日のケーキもうまかった。」
もう~シンさんたら、笑顔でそういうこと言わないの~照れるじゃないの。
あっこれいいんじゃない?
③とりあえず今いる女子供でも出来そうなことを探す。
森にベリーの木があるし、果樹園と、砂漠にも植えて、
ドライフルーツとか、日持ちするお菓子とか。
これなら女性なら、教えれば出来そうだ。
そうだ!余裕が出来てきたら、この領地でしか手に入らないお菓子も作ろう。
商人や観光客が足を運んでくれるかも。
カエデっぽい木もあったから、あれからメイプルシロップ採れないかな?
さっそく実験しなきゃ。
はちみつはたくさんは手に入らないし。
村に戻ると、なんだか人が増えてるような気がする?
男の人達が徐々に帰ってきているらしい!
貝を撒くうわさや、木箱を埋めるうわさを聞いたらしく、貝や壊れた箱やらを持って帰ってくれた。
これで力仕事も出来る。
各地の情報も役に立つ。
さっそく実験と、工事だ。
いろんな木から樹液を集めてもらい、
山からの水を、村の水路に誘導する為の溝を掘る。
水路は半分の位置まで板を渡してせき止めて、畑に使いやすいように水位を上げる。
薬草が生えていたところは、薬草園ということで。
今後の為にいろんな種と苗もたくさん植えた。
少しずつ順調になってきた!
シンさんも、笑顔が増えた。うれしそうだ。
私もうれしい!
このまま、シンさんやみんなと、頑張っていけたらいいのに。
王子様から見ると、王様はなりたい職業ではないようです(^^;