お見合いパーティーと噂話
お見合いパーティーってなかなか大変ですよね。
お見合いパーティーに出席するため、出かけたが、2日ほどの小旅行の末(意外と遠かった)、たどり着いたのは、
『宮殿!?』・・・だった。
昔の王様が作った避暑用の別荘?だそうだ。
「・・・」
ちょっと、渋柿でも食べたような顔しないの。
眉間にシワがよってるから。
中に入ると、・・・金ぴかだった。
『目がチカチカする。』
「よし、帰ろう。」
こらこら。
大広間に入ると、派手な貴族っぽい人たちが大勢いた。
が・・・「「「隠し子!?」」」の大合唱だった。
なぜ!?
「・・・客人だ。これでも大人だ。」
『はじめまして・・・エメラーダといいます・・・』
「失礼、小さいから、子供かと。」
「もしや、村を掘り返してるっていう、うわさの女性?」
『(あんな田舎のうわさが貴族にまで?)・・・おおむねそうです。』
女性でも、普通に180㎝くらいあるからね。小さく見えるか。
動くときは、シンさんが12歳の時の服借りてるし。
『シンさん、ボーっとしてないで、女性にあいさつしないと!』
「うっ・・・ああ・・・そうだな・・・」
ファイト!
「今日の、洋服は似合いますね。」
ダメっぽい。いつもは似合わない服みたいじゃん(泣)
「今日は良い・・・曇りなので、散歩でもしませんか。」
『(・・・頑張れ!)』
ひとりでハラハラしていると、
「エメラーダちゃんっていうの?よろしくね。」
気が付いたら、女子に囲まれていた。
「ねえねえ、海の向こうから王子様の所にお嫁に来たんでしょ?」
「魔法使いなんでしょ?王子様と恋に落ちて、愛の力で砂漠を一瞬で緑に変えたのよね?」
「ホントは、洞窟で眠らされていた昔のお姫様だって聞いたわよ?王子様が呪いを解いたんですって。」
「ええ~?山賊に追われていた他の国の貴族の娘を、王子様が間一髪で助けたって・・・。」
あの、お嬢様方、合ってる所がほんのちょっぴりなんですけど。尾ひれがすごすぎませんか?
ほとんど、おとぎ話じゃん。
『確かに、海に囲まれた所からから来ましたけど・・・。お嫁に来たわけではありませんよ?
砂漠は1カ月くらいみんなで地道にがんばって緑にしたんです。
あと、洞窟で倒れていたのは・・・ちょっと事情があって・・・
助けてもらったのはホントですが、追ってきたのが山賊かどうかまでは分かりません。』
「「「「物語みた~い♪」」」」
聞いてないな。
「これで、領地がもう少し潤っていればね~」
「あんまり喋らないし、家でも、会話がなさそう。」
「愛想も洒落っ気もないけど、普段はどんな風なの?」
「身分も良いし、外見も、性格も悪くはないんだけど・・・」
『すごくいい人ですよ?優しいし、おおらかだし、力強いし。みんなに慕われてるし!
結構可愛いところあるし。そんなに言われてるほど貧乏じゃないから、大丈夫だから!』
「「「「(えっ?あれが可愛い??)」」」」
ところで、王子様って、シンさんの事?
『あの方は、王子様なんですか?』
「お母様が第23王妃様ですから。」
『・・・何人王妃様がいらっしゃるんでしょうか・・・?』
「36人ですよ。」
『そうですか・・・(王様、把握できてるのかな?)』
『シンさん、明日、彼女たちをお茶会に招待しましょう。』
「すぐにでも帰りたい。」
『だめです。私、明日シンさんの好きな、はちみつケーキ焼きますから。いいですね。今すぐ招待してきてください。』
「やっかいなのが来る前に帰ろう。」
『やっかい?』
「シン~元気か~?この子がうわさの森の妖精か?罠にかかっていたとか?」
「うっお久しぶりです・・・兄上。」
『はじめまして(罠?鉄格子に入ってたからか?)』
また変な話になってるし。
「ケーキを焼くのか!?もちろん、私も呼んでもらえるんだろう?」
「・・・分かりました。」
『がんばります』
王妃様たちは仲良しです。