シンさんの笑顔と苦手なもの
シンさんは性格は結構かわいいです。
そして1ヶ月後・・・
地道な作業の末、ボーボーに生えてきた。雑草が。
羊と馬と、シンさん、大喜び。
「すごいな!すばらしい!みんな、よく頑張ってくれた!」
もう~なんだ、この人?笑顔振りまいちゃって~可愛いな。
北の森にも貝を撒き、ちょっと元気になってきたような気がする。
そんな、初夏になろうとしていたある日。
シンさんの顔色が冴えないことに気がついた。
どうしたの?
「実は、隣の領地でパーティーがあるんです。領主様は苦手のようで、毎回あの調子です。」
『パーティー?顔色さえなくなるほど大変なの?』
「妙齢の男女がおしゃべりとかするんですよ。」
あ~つまりお見合いパーティーか。それは苦手そうだ。
『シンさん、しっかり!土地はちょっと回復してきたし、頑張ればきっとお嫁さん来るから。』
「・・・マーサにも毎回言われている。“貧乏田舎領主の上、無愛想で、威圧感もあるんだから、もっと頑張れ”だそうだ。」
気にしてたんだ。ごめん。
『いいじゃない、女の子達とおしゃべりしにいく、くらいの気持ちで。』
「何をしゃべればいいのか、わからん・・・あそこは落ち着かないし。」
『えっ・・・やっぱり基本は褒め言葉だよ!今日の服お似合いですね!とか?褒められれば悪い気はしないよ!今日はいいお天気ですね!ちょっとお散歩しませんか?とかどう?建物は・・・ちょっぴり我慢しようよ。住むわけじゃないし。』
それを聞いていたマーサさんに泣きつかれ、付き添うことになりました。
(マーサさんは、シンさんの乳母みたいなものらしい。すごく心配していた。)
なぜか気合いの入った、緑のドレスが用意されていた(ずいぶん豪華だけどいいのかな?いつの間に用意したんだ?)
まあ、とにかく、馬車に乗って、初めて領地の外までお出かけだ!
でも、シンさん、その服でお出かけですか。似合うけどさ。
上から下まで真っ黒け。・・・今は、初夏ですよ?
大きい上に無表情なので上から見られると、魔王に睨まれているみたいなんですけど。
お見合いパーティーはなかなか大変ですよね。