生涯賃金
貴方は、最近不幸が続いた時はありませんか?
それはもしかするとあるゲームに巻き込まれているからかも知れませんね。
これはそんな不幸なゲームに巻き込まれた不幸な男性の不幸な人生を描いた物語…
ごゆるりとお楽しみください…
ピピピ、ピピピ
目覚まし時計が鳴り、俺の意識が覚醒する。
今日は大事な会議があるから遅刻は出来ない、仕方がないので重い体を動かし起き上がる。
「ん〜…、はぁ〜」
深いため息を吐きながら俺は洗面所に向かう。
その途中
「あら?今日は早いのね」
驚いた顔で洗面所から出てきたのは俺の嫁だ
「雪乃、今日は大事な会議があるって言わなかったか?」
「そうでしたっけ?」
妻の名前は雪乃、そして俺は神田庄司
ごく普通のビジネス会社に通うサラリーマンだ
「あぁ、だから今日は遅刻出来ん、早めに飯の支度を頼む」
「はいはい」
雪乃はよく働いてくれる良い嫁だ
こんなだらしない俺とよく結婚したなと今でもよく思う。
前に雪乃に聞いた時があった。
何故俺なんかと結婚したんだ?と、雪乃は結構美人だ
結婚だったらもっと他のイケメンの金持ちでも良かったのではないか?
雪乃はきっぱりこう言った。
「私はあなたに惚れたんです、あなたが好きだから結婚したに決まっているじゃないですか!!」
その後は少し怒られたのを覚えている。
正直俺は嬉しかった。
当然だ、小学校から好きだった女の子と結婚出来たのだから嬉しくないはずがない
しかし、ひとつ大きな悩みがある
それはこの先俺がかなり近い将来に死んでしまうかも知れないからだ…
理由は分からないが昔から俺は不幸だった。
最初は俺が小学生の時だった。
いつもの様に家に帰る途中、近くの森に友達が入って行くのが見え、俺は家に帰る事など忘れて友達を追いかけて行った。
すぐに友達に追いつき何をしているのかを聞いてみた。
すると、この先の藪を抜けると虫がいっぱい取れる木があると言うのだ。
俺は昔、虫を採るのにハマっていた。
だから無我夢中で藪をかき分け、その木を目指した。
藪はかなり長く続いていた、友達は藪を抜けるのに苦戦しているみたいで俺の後ろをついてくるのがやっとだった。
しかし、俺は虫を採りたいという気持ちで胸がいっぱいで枝など気にもしなかった。
そして藪をようやく抜けたが、そこには虫がいっぱい採れる木など無かった。
あるのは険しい崖だった。
無我夢中だった俺はそれに気づかずに崖から落ちていった。
気がつくと病院のベッドの上で包帯ぐるぐる巻きで寝ていた。
隣で両親と妹が心配そうにこちらを見ていた。
話を聞くと、あれから二日間ずっと寝ていたらしい。
かなり危険な状態で死にかけたらしいのである
後日、学校で友達と俺で先生にしっかり怒られた。
何故あの森に入ったのか友達に先生が聞いた。
すると
「帰る途中に知らないおじさんに虫かごいっぱいのカブトムシとかクワガタを見せられたの、どこで採ったの?って聞いたらあの森の藪を抜けた木で取れたって言われたから…」
と話した。
すぐさま学校ではあの森に立ち入り禁止の板を立てた。
とまぁ
小学生で既に三途の川を渡りそうになったのだ。
他にも中学生ではトラックに轢かれそうになったり、電車のホームから誰かに押され、死にかけたなど色々あったが、高校に入り雪乃と付き合い始めてからはあまり不幸な事が起きなくなった。
しかし、やはり起きるときは起きる。
しかも決まって不幸が起きるのは俺が一人の時だ。
だから俺はなるべく誰かといるようにしている。
ここまで話して何故近い将来に俺は死ぬと言えるかと言うと、幸せが最近続いたからだ。
雪乃と結婚し、課長に昇格し、今雪乃のお腹には赤ちゃんまでいる。
とても幸せだ
今までで一番幸せだ
だから分かるのだ…
この後に待ち受ける不幸は必ず大きい不幸だと
しかしそうは言ってはいられない。
今はとにかく会社に遅刻しないようにしないといけない、悩みのはその後だ。
「それじゃ、行ってくる」
「気をつけてね、あなた」
俺は玄関を出て、階段を降り、駅に向かった。
「この様子なら間に合いそうだな」
会社までは家から40分、いつもはギリギリに家を出るが今日は余裕を持って出たから、遅刻は無い
少し歩調を緩めたその時だった。
ガッシャーン!!
目の前に少し大きめの植木鉢が落ちてきた。
「あ、あぶね〜」
俺は腰を抜かした。
あんなのが頭に落ちたら即死だ
「大丈夫ですか?」
それを見た回りの人が集まってきた。
「はい、大丈夫です…」
「それにしても、何だってこんな植木鉢が」
確かにそうだった。
俺が歩いていた。となりのマンションには立派なベランダがあったから落ちる事はまず無い
「すいません、急いでいるんでこれで」
「怪我はしていないんですか?」
「はい、なんとか、マジ急いでいるんでこれで」
俺は急いでその場を後にした。
あんな事で遅刻したくないからなその後は何事も無く、会社につき、会議が始まった。
その会議でまたもや不幸が訪れた。
「えっ!?今、なんとおっしゃったのですか?」
「だから君はクビだ。明日からもう来なくていいぞ」
「そ、そんな!!何でですか!!理由を教えてください!!」
俺はパニックを起こしていた。
クビ?リストラ?
ふざけんなよ!!
これからって時に、もうすぐ子供も産まれるってのに!!
「理由?そんなのお前の業績が悪いからに決まっているだろう!!今回の会議で良いプレゼンが出来たらまだ残しておこうと思ったが、何だあれは!!ふざけてるのか!!」
業績?プレゼン?
そこまで悪かったか?
いや、けっしてそこまで悪くは無いはずだ!!
「私のプレゼンのどこが悪かったのですか?言ってください!!」
「うるさい!!黙れ、もういい、早く出ていけ!!」
横暴だ…
俺は何も悪く無いのに…
何故だ…
何故今日はこんな不幸が起きる。
やはり最近幸せだったからか?
でもこんな理不尽な不幸なんて…
渋々だったが俺は会社を立ち去った。
もちろん退職金はあるわけが無い
俺は絶望しながら街を歩いていた。
そのときふと目に止まったのが、占い屋だった。
「ははは、俺の将来でも占ってもらうか…、もしかしたら貴方は死にますとか言われたりしてな」
俺はその占い屋に占ってもらった。
「どうですか?何か見えました。」
俺が聞くと、占い師は静かに答えた。
「ここまで、酷い運勢は見たことがない、あなたはまるで不幸になるために生まれてきたみたいです。何をしてもうまくいきません、それどころか命までが危ないです。」
俺は怒りで頭がいっぱいになった。
「へぇ、そうかい…そんなに酷いのか…」
「これは忠告ですが…」
「もういい!!」
椅子から飛び上がり、そこから立ち去ろうとした。
「これだけは覚えておきなさい!!絶対に実家に帰って古い引き出しを開けてはならない!!」
ハッ!!なんだそれ、それが何だってんだよ!!
いいぜ、ならやってやろうじゃないか!!
どうせこの先不幸ならやってやろうじゃないか!!
「ただいま〜」
「あら?早いのね?」
俺は雪乃に話すか迷ってた。
クビになったなんて聞いたら、どうなってしまうか…、この不幸の連鎖からするときっと
「何よそれ!!あなたは父親になるのよ!!なのにこれから無職でどうするのよ!!…もういいわ、離婚しましょ」
なんて事になってしまうんでは…
それが一番怖かった。
「あなた?何かあったの?」
「あっ…いや、別になんでも…」
「ホントに?何か隠してるなら怒るわよ」
「…………」
「やっぱり何か隠してるのね」
もういっそのこと打ち明けてしまうか…
どうせ不幸が続くなら、もうどうでもいい
「実は…」
俺はすべてを雪乃に話した。
リストラから占い師の事まで
「そう、…そうだったの」
「ははは、酷い話だろ」
俺はてっきりこのあと酷く言われると思ったが
いきなり雪乃に抱き締められた。
「えっ…」
俺は驚いた。
「怒らないのか?」
「あなたは、何も悪くないのよ…何故怒る必要があるの?」
「だってこれから無職だぜ、子供だって産まれるのに…」
「そんなのどうにかなるわよ…それにまだ貯蓄も残っているのよ」
「だけど…」
「いいの!!何も心配しなくてもいいの!!この先あなたがどんな不幸に襲われても、私も一緒に不幸になるから!!そうすれば不幸は半分になるでしょ」
俺は涙が止まらなかった。
間違っていた。
雪乃がこんな事で俺を嫌いになるはずが無かった。
「ごめん…ごめん…」
「もういいから…今日は寝ましょ」
「あぁ…ごめんな…」
その日は一日中雪乃の胸の中で泣いていた。
その後はなんとか新しい仕事も見つかり、待望の娘まで産まれた。
早い事であんな不幸から既に8ヶ月が過ぎていた。
「もうすぐ年末だな」
「そうですね〜、今年はあなたの実家に帰りますか?」
「そうするか、娘の顔も見せたいしな」
もうすぐ年末なので今日は雪乃と予定を立てていた。
「しばらく戻ってないから、お袋怒ってるかな?」
「ふふふ、一度電話してみてはいかがですか?」
「そうするよ」
早速俺は実家に電話した。
…………ガチャ!!
「あっ、もしもし母さん?」
「庄司か?」
「あぁ、そうだよ、年末はそっちに帰ろうと思うんだけど大丈夫?」
「あぁ、大歓迎だよ、色々と支度しないとな」
「ははは、別にいいよ、2日くらいしか居られないんだから」
「そうかい、だったら【念密に計画しないと…】いけないな」
「ん、何しないといけないって言ったの?」
「何でも無いよ…」
「そう?それならいいけど」
「じゃあ、待ってるよ」
「じゃあね」
ピッ!!
「どうでした?」
「あぁ、大歓迎らしい」
「そう、なら良かった」
「そうだな」
母さん、何か元気無かったな…
何かあったのか?
それによく聞こえなかったけど…計画って言ったのかな?
何の計画だろ?
「じゃあ明日には家を出ないと行けませんね」
「そうだな、こっちからだと時間がかかるからな」
俺は深くは考えず久しぶりの帰郷に胸を踊らせていた。
そして実家に帰る途中の新幹線の中で突然携帯がなった。
「あれ?妹からだ」
「何かあったのかしら?」
「さぁ?とりあえず出てみるよ」
人の迷惑にならないよう、なるべく小声で電話に出た。
「もしもし?春香?」
「もしもしお兄ちゃん?さっきお母さんに聞いたんだけど今年はこっちに帰ってくるんだって?」
「あぁ、そうだよ?あれ…もしかして迷惑だった?お前今年大学受験だもんな」
「そんな事はどうでもいいの!!」
「どうでもいいってお前…」
何故か妹は焦っていた。
「いいから、こっちには帰って来ないで!!」
「おいおい、酷いな…俺が何かしたか?」
「バカ、お兄ちゃんの為に言ってるんだよ!!」
「俺の為に?」
「いい?お母さんとかお父さんはお兄ちゃんを……」
「ん?どうした?」
「………………」
「もしもし?」
「……来ちゃ…メ…」
プー、プー
「何だってんだ?」
何故俺が実家に帰ったらいけないんだ?
「妹さんは何て?」
「いや、実家には帰って来るなって」
「まぁ…きっと受験でイライラしてるのよ」
「そうだといいんだが…」
それにしてもあの言い方…
それに母さんや父さんが俺を何だって言うんだ?
「あっ、ほらあなた、もうすぐ着きますよ」
「あぁ」
気になりながらも新幹線はホームに着いた。
「久しぶりだな〜」
「そうですね〜、私も高校時代はよくお邪魔しましたね」
「あぁ、高校出てからは直ぐにお前と都会の方に移ったからな」
二人でそんなことを話ながら、インターホンを押した。
しばらくしてから玄関が空いた。
「おぉ、お帰り、早かったんだね」
「うん、早くお袋にこいつの顔見せたくてな」
俺の隣で雪乃の腕の中で眠っている娘を指した。
「あら〜、可愛い!!庄司にも子供が出来たのかい」
「だろ〜、可愛いだろ?」
「とにかく寒いから早く入りな」
確かに寒かったので早速家に入ることにした。
「あれ?春香は居ないのか?」
あそこまで電話越しに言ってきたのだ、俺が帰って来たのだから何か文句を言いに来ると思ったのだが…
「…あぁ、春香なら友達の家に泊まるそうだよ」
「そうなんだ」
ん?
さっき玄関にあったブーツは春香のじゃ無かったのかな?
「ところでさっきインターホン押したのになんでしばらく出てこなかったんだ?」
「えっ!?」
「インターホン押してから二分くらい待ったと思うぞ」
「それは…ほら、ちょっと汚かったから、少し掃除したんだよ」
「あぁ、だから何かガタガタいってたのか〜、別に俺らを家に上げてからでもよかっただろ〜」
「嫌だよ〜、かなり汚かったんだから」
母さん、なんか挙動不審だな…
さっきから奥の襖をチラチラ見てるし
何かあそこに隠してるのか?
「ほらほら、それよりご馳走作ったんだから早速ご飯にしよ」
そう言って母さんは大量の料理を運んできた。
「まぁ!?これ全部御母様が作ったんですか?」
「当たり前よ、あんた達が帰ってくるんだもん、いっぱい作っちまったよ」
「全部食えるかな?まぁ親父もいれば大丈夫か」
「あぁ、お父さんはまだ仕事で帰ってきてないよ」
「マジかよ、年末だぜ、一体何の仕事してんだよ」
「秘密」
結局親父抜きで晩御飯を食べ、風呂にも入り、就寝することになった。
「おやすみ〜」
「お袋、温かくして寝ろよ」
「あんたに心配されるとはね」
「ははは、おやすみ」
その日はそのまま寝て終了だと思ったのだが、ふと半年前程に占い師に言われたことを思い出した。
「実家に帰って古い引き出しを開けてはいけない」
だったかな?
それが気になり、眠れなかった。
深夜0時になり、みんなが寝たのを確認したあと、俺は古い引き出しを開けに行った。
「やっぱり、気になるからな〜」
俺は古い引き出しを探した。
「おっ!?ここかな」
少し古い引き出しがあった。
早速開けようとした時
「庄司か?こんな時間に何してるんだ?」
俺は心臓が飛び出そうになった。
「お袋!!びっくりさせんなよ」
「お前、何してるんだい?こんな時間に」
何故だか分からないけどお袋にバレたらいけないような気がした。
「別に、ただ喉が渇いただけだよ」
なんとか嘘で誤魔化そうとした。
「そうかい?それならいいんだけどね」
そう言って自分の部屋に戻ろうとしたお袋の手の中にあるものを見てゾッとした。
なんだあれ?
包丁じゃないか?
何で?
俺を泥棒とでも思ったのか?
だからって包丁持ち出すか?
普通ないだろ?
おかしい
何かがおかしい
「とにかく今日はもう寝よう、引き出しはまた今度だ」
部屋に戻ろうとした時
奥から奇妙な音がした。
ん〜…ん〜…ん〜…
「何だよ、何だこの音」
恐怖を感じながらも、近づいてみた。
「襖から聞こえる」
今日来たとき、お袋がチラチラ見てたよな。
やっぱり何かあるのか?
俺は恐る恐る開けた。
「ん〜!!ん〜!!」
なんと手足が縛られた妹が酷い顔で出てきた。
「おい!?どうしたんだよこれ?それになんで殴られた痕があるんだ?」
妹の縄をほどき口についたガムテープを取ると妹は開口一番に言い放った。
「早くここから逃げて!!」「えっ!?」
意味が分からなかった。
「どういうことだよ?説明してくれ」
「もう!!時間が無いから省略して話すわね」
昔、って言っても2年前だけどね
探し物してた時に古い引き出しから黒い封筒が出てきたの、その中の手紙にこう書かれていたの
お子さんお誕生日おめでとうございます
突然で申し訳ありませんが貴方の息子様はあるゲームのプレイヤーとして選ばれました。
ルールは至って簡単です。
まず最初に息子様が産まれた年から一年経つごとに毎年百万円を差し上げます。
次にその息子様が死んでしまった場合ゲームオーバーとしてそこからはお金は渡せません
次に身内に息子様が殺された場合、それまでに受け取った額をプレゼント致します。
次に10年経つ度に酷い不幸が訪れます。
次にこのゲームをリタイアする場合はこの手紙を受け取ってから半年以内にリタイア希望の手紙をください。
次に信用してもらうために誕生祝いとして百万円をお渡しします。
ではご健闘をお祈り致します。
「って書かれてたの」
「そんな冗談に決まってるだろ」
「違うの…私も最初は冗談だと思ったんだけど、この前お父さんが二千万の借金をしたの…、みんなでどうにか払おうとしたけど後八百万足りなかったの」
そんな事があったのか…
親父が借金…
「それでお母さん達が、もうお兄ちゃんを使うしかないって言ったの、その時確信したのあの手紙は本当なんだって」
「それで俺が帰郷した今を狙って殺そうとしてると?」
「そうよ!!だから帰っちゃダメって言ったのに」
「しかし、その後お前が電話切ったから」
「違う!!あれは電話してるとこをお母さんに見られて無理矢理切られたの!!その後余計な事が出来ないように私を殴って、縛って襖の奥に放置されたの」
「マジかよ…そんな…お袋が?」
俺は絶望した。
じゃあ今まで俺が死にかけた時に凄く心配したのは俺が死ぬと金が入らなくなるからか?
「お兄ちゃんはお母さん達から家畜くらいの感じでしか見られてなかったのよ!!」
そんな…
嘘だ…
嘘だ、嘘だ、嘘だ、嘘だ
「だから殺される前に早くここから雪乃さんを連れて逃げて!!」
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ「お兄ちゃん!!」
「何してるんだい?」
その時後ろからお袋の声がした。
振り替えるとそこには血に染まった包丁を持ったお袋がいた。
「あぁ…お兄ちゃん早く…」
「またこの子は…庄司にバレないようにしてきたって言うのに」
バレないように?
「お袋…嘘だよな?俺を殺して金を貰うなんて嘘だよな?」
お袋…違うと言ってくれ!!
お袋は無言で何かを投げてきた。
ゴトッ!!
ぐちゃ…びちゃ…
それは紛れもない
「あ、あ、あぁ…」
雪乃の首だった…
「次は庄司、お前がそうなる番だよ」
「雪乃さん?嘘、なんで雪乃さんは関係ないのに…」
「もし、庄司が死んで私が金持ちになったら怪しんで、色々調べられると迷惑だからね、庄司のついでに殺しておこうと思ってね」
なんで…
なんで雪乃までこんな目に…
「あぁ、あとこいつもいたか」
ぐちゃ!!
次に飛んできたのは、娘だった。
いや、正確には娘だった物だ。
今やただの肉塊になっている
「あぁ〜〜〜〜〜〜〜!!」
俺は絶叫した。
今まで大切にしていたものが一瞬で奪われた。
しかも自らの親に
俺は何も考えられなかった。
もうどうでもよくなった。
なんで?
どうして?
なんで俺の人生はこんなにまで不幸なんだ?
「お兄ちゃん!!」
横から妹に突き飛ばされた。
「春…香?」
次の瞬間妹の首が落ちた。
「ちっ!!邪魔が入った。」
お袋はでかい肉切り包丁を振り血を払った。
「わぁ〜〜!!」
俺は逃げ出した。
せっかく妹が命を捨ててまでくれたチャンスだ逃げるしかない
「待て、庄司!!」
リビングを抜け廊下を走り抜け、玄関に
「はぁ…早く…早く…」
ガチャガチャ…ガチャガチャ…
焦っているせいか鍵がうまく開けられない
「死ね〜〜!!」
後ろから凄まじい形相でお袋が追いかけてくる。
やっとの思いで鍵を開け、外に出た。誰か…誰かに助けてもらおう!!
俺は走った。
ひたすらに走った。
そのお陰か、お袋の姿が見えなくなった。
「はぁ…はぁ…」
そのまま走り続けていると誰かにぶつかってしまった。
俺はそのまま尻餅をついた。
「すいません!!でも急いでて!!助けてください」
パニックになっているせいか言葉がおかしかった。
するとそのぶつかった人が
「庄司か?」
「えっ?」
よく見るとそれは親戚の叔父さんだった。
「叔父さん!!助けてください!!お袋に殺されそうなんです」
俺は叔父さんに助けを求めた。
すると叔父さんは握っていた携帯に耳を戻すと
「あぁ、庄司は見つけたぞ、何?俺が殺るのか?、金を少し分けるって?……分かった」
そうして叔父さんは俺の方を見た。
「そういうことだ」
「嘘でしょ、叔父さん、いつも俺の事可愛がってくれたじゃん…なのに俺を殺すの?それに叔父さんが殺しちゃダメじゃないの?」
俺は泣きながら叔父さんに問いかけた。
「確かにお前は可愛かった。育てれば育てるほど大金が入る事になるからな」
叔父さんは見たこともない笑みを浮かべた。
「そんな…」
「それと身内なら誰でも殺せばいいらしい」
俺は涙でおじさんがもう見えなかった。
そうか…
身内のみんなが俺を可愛がったり、心配してたのは俺が金になるからだったのか…
だから俺は産まれたときから、身内に殺される運命だったのか…
なんて人生だ…
最悪だ…
「じゃあ、お別れだ庄司」
そう言うと叔父さんは近くにあった、廃材の鉄パイプを振り上げた。
「あぁ、幸せ…ひとつあった。雪乃に会えたこと…」
ぐしゃ!!
…………
……
…
そこで俺の人生は終了した。
「会長、例のゲームのプレイヤーは昨日死にました。」
「ほう…誰に殺されたんだ?」
「身内の叔父さんですね、母親の方はプレイヤーの嫁、その娘、プレイヤーの妹もとい実の娘、自分の夫を殺しました。」
「ん?なぜ夫までなんだ?娘ならまだ分かるが」
「どうやら夫がプレイヤーを殺すのに反対したらしく殺したみたいです」
「そうか…で?今回は何円だった?」
「合計で四千万です」
「ガハハ!!今までで一番すくね〜」
「はい、しかし、プレイヤーの親は借金があったので仕方ないのでは?」
「ふむ、そうだな…、よしじゃあ次のプレイヤーに手紙を送っておけ」
「かしこまりました」
「次はどれほど醜い物語が見られるか楽しみだ」
もしかしたら
これを見ているあなたが不幸が10年ごとにある、身内が妙に優しいなど心当たりがある人は家の中を探してみてはいかがでしょうか?
もし黒い封筒があったら見ない方がいいかも知れませんよ?
もしかしたらあなたが次のゲームのプレイヤーかも知れないのですから…




