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過去の記憶②

七瀬…じゃなくてしろはが去った後も樹はブランコに座っていた。


しろはがあの時の…未だに信じられない。


しろはと過ごしたあの半年は、今までの人生の中で1番輝いていた時間だと思う。


出会った後すぐに2人は意気投合し、2人いつもの時間にあの公園で待ち合わせて、門限ギリギリまで遊んでいた。


今考えるとそこまで夢中になるほどの遊具などは無かったと思うが、しろはといるだけで日々が楽しかった。


前まで遊んでいた友達とは「妖怪と遊んでんのかよ」と、遊んでもらえなかったが、しろはがいれば、それで良いと思っていた。


でもそんなある日、突然しろはが公園に来なくなってしまった。


1ヶ月くらいだろうか、毎日、毎日、晴れの日も、雨の日も、公園に通ったが、しろはが来ることはなかった。


そんな雨の日、もうしろはとは会えない。そう直感的に悟った時は、持っていた傘を地面に落として、初めて会った時のしろはのように泣いた。


帰った後は親にいじめられてないか、と心配された。


でも樹はどんな質問に対しても、回答は上の空反応も薄かった。


そんな様子を心配した母は次の日、学校を休ませてくれた。


友達が1人いなくなったくらいで大袈裟だと今となっては思うかもしれない。


でも樹にとって、しろはと言う存在はゆういつの友達で、しろはさえいれば大丈夫。

そう思っていた樹の心をズタボロにするには十分だった。


そこから小学校卒業して中学校に入学してからも、友達を作る気になれなかった。


また、しろはみたいに仲良くなってからどこかに行ってしまう。そんな事になりたくなくて。


でも中学2年生に学年が上がった時、ずっと席で本を読んでいる物好きに話しかける物好きがいた。


「よぉ俺船越瑛二!お前は?」

いきなり話しかけて来たのでびっくりして反応できなかった。


せっかくのチャンスを棒に振ったと自分でも嫌気が刺していたが、瑛二は根気よく話しかけてくれた。


「無視は酷くねー?おーい」


視界にぶんぶんと振られる手が映る。


「ご、ごめん。話すのなれてなくて」

「中学生男子が話すの慣れてない事ある!?お前おもしれーな」


ここから瑛二とはどんどん仲良くなっていった。


他の友達との付き合いもあっただろうに、自分と友達でいてくれることが嬉しかった。


そこから2人揃って同じ高校に進学した。


その頃にはしろはとの事なんて、忘れていた。いや忘れようとした。


そんな樹が七瀬がしろはと言う事に気づく事なんてなく…いや普通気くんだろうけど、まぁ今日、しろはからこの事が聞けてよかった。


「よし、明日の体育祭頑張るか!」


そう意気込みブランコから飛び降りた。









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