体育祭準備⑤
「よーしこれで最後のテントだ。皆んなお疲れ様。このまま流れ解散でいいとの事だからここで解散だ」
テント設営担当教諭が、言い終わると同時に軽く歓声が上がる。
そんな中樹も表には出さなかったものの、心の中では歓喜していた。
思っていた以上に重労働で、参加した事を軽く後悔したくらいだ。
さっさと帰ってしまおうと思い、荷物を置いていた教室に向かう。
そこで準備を済ませて、校門へ向かう。
教室から出て、廊下を歩き、学校と校庭をつなぐ、扉を開けると同時に、背後から「わっ!!」だと言う声がした。
誰もいないと思い何も考えず歩いていたのでいきなりのことに体を大きくびくつかせた。うわぅと言う情けない声と共に。
そして顔を後ろに向けるとしてやったり!とニヤニヤしている、七瀬の姿があった。
「やっと来たー遅いよー」
「その前に脅かした事を謝ってくれ」
「ごめんごめん」
片目を瞑りウィンクの仕草をしながら胸の前で両手を合わせる。
「絶対思ってないだろ…てかなんで七瀬がここにいるんだよ」
「んー早く終わったからさ、どうせなら澤幡くんと帰ろっかなって」
「一緒にいた友達はどうしたんだよ」
「先約があるーって断った」
「息を吸うように嘘をつくな」
七瀬の頭に軽くチャップを下す。
「いでっ。澤幡くんひどーい」
「どっちがたよ」
軽く話し終わったので、早速歩みを始める。
「てか家逆なんだから校門でさよならじゃ無いか?」
「えー澤幡くんはか弱い女の子を1人で帰らせてちゃうような薄情な男の子なんだぁー」
「分かった分かった送って行けばいいんだろ」
「よろしい」
満足したのかてってってと樹の少し先を歩く。
「そういえば七瀬の家ってどこら辺にあるんだ?」
「うーんとね学校出て5分くらいかな結構近い方だと思うよ。あっ澤幡くんに本性がバレた公園の近くでもあるね」
「あースーパーの近くね」
なんとなく七瀬の家の近くのイメージが湧いて来た。そういえばあの公園子供の頃いつも遊んでたなぁ懐かしい。
そんな会話をしてるうちに学校の校門を出る。
「あの澤幡くん一緒に帰ったのにはちょっと理由があって…ちょっといい?」
首を傾げながら上目遣いで聞いてくる。
可愛いなこんちくしょー
「別にお前の家まで行くんだからいいに決まってるだろ」
「そ、そうだよねえへへ、あるところで話したいからちょっと歩いてから話すね」
「ああ、了解」
そこから5分ほど歩いただろうか。特に話す話題もなく、少し気まずい雰囲気が続いた。
少し七瀬が緊張しているようにも見えたが、多分見間違いだろう。
今更俺と帰るのが緊張するとかありえないし。
そんなところで連れてこられたのは……初めて素の七瀬を見た公園だった。
「ここで話したかったんだけど…とりあえず入ろっか」
急に手を繋がれる。びっくりはしたが、嫌では無い。
「あ、ああ」
樹は七瀬に手を引かれるがままに、公園の中に入って行った。
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