設定資料編3:アグナムと記憶兵ティリカ
(第3章「神の軍靴」補足資料)
■1. 秩序軍〈アグナム〉について
【概要】
セフィラの中枢ネットワーク〈マトリア〉と直接リンクする、記録秩序の維持組織。
高度な記録技術・戦闘兵装・観測網を保有し、記録の逸脱や共鳴因子を“排除・修正・封印”する権限を持つ。
名目上は「セフィラの安定維持」のために存在しているが、
その行動は時に極端で、記憶や自由意志そのものを脅かす場合がある。
【主な任務】
・逸脱因子(記録干渉者)の抹消
・前世記憶の発現者の監視・隔離
・共鳴兵装の封印・接収
・秩序違反の集落・区域の記録削除
■2. カスティリオ=ヴァイン(将官)
アグナムの精鋭指揮官。過去にグラフトと共に戦場を駆けた経歴を持つ。
秩序と記録の正統性を重んじており、「記録に残らない存在」を特に危険視している。
クラウの出現以降、自ら前線指揮に立ち、彼の観測・追跡を担当する。
記録の絶対性を信じる一方で、内面には「秩序とは何か」を問う揺らぎも持っている。
■3. ティリカ=サイン(記憶兵)
【基本情報】
性別:女性/年齢:推定17〜18歳
所属:アグナム直属・記録兵部隊
特徴:かつて戦場で拾われ、記憶を消去された状態で軍に引き取られた。
以後、「忠誠」と「命令遂行」の記録情報だけを植え付けられて育った存在。
人間としての自由意志や過去の記憶は封印されている。
【能力】
・高い記録耐性と観測同調能力
・特定の記録因子に対して異常反応を示す
・記憶干渉が強まると、「自我の記録」が揺らぎ始める兆候がある
【第3章での役割】
クラウと再び対面したことで、微かな“既視感”や感情が芽生えはじめる。
それが何であるかは、まだ本人にも分かっていない。
今後、クラウとの過去や、「誰かに忘れられた記録」との接触を通じて、自我が目覚める可能性がある。
■4. 抹消兵装〈シグマ=アストレア〉
【概要】
アグナムが開発した記録抹消型の兵装機。
共鳴兵装〈ヨルムン〉に対抗するために設計された、秩序側の“最終観測兵器”。
機体そのものが高密度な記録制御装置で構成されており、
対象存在の「記録データ」そのものを破壊・消去する能力を持つ。
【対ヨルムン特性】
・共鳴者の紋様反応を探知可能
・記憶のフィールド内に侵入し、因子ごと上書き抹消を行う
・一定以上の共鳴によっては逆干渉される危険もあり、非常に不安定な兵装
■5. 今後の伏線
・ティリカの“もとの名前”と、クラウとの前世的なつながり
・カスティリオの信じる「秩序」と「自由意思」の分岐
・シグマ=アストレアの真の目的と、旧時代の兵装との因果
・アグナムという組織自体の設計思想の謎(マトリアとの接続背景)
■作者メモ
第3章では、クラウとナイアが「守る側」に立った一方で、
秩序軍アグナムとティリカという“記憶を失った存在”が彼らの対極として現れました。
この章は、表面的な善悪ではなく、「どう記録されてきたか」「記憶に何を刻まれてきたか」が物語の軸になります。
次章「断罪者たちの影」では、カデンツァというまったく別の思想が登場します。
記憶の“破壊”をもって自由を得ようとする者たちとの邂逅にご注目ください。
(設定資料編3・了)