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5:白鳳学園の会長
1歩1歩降りていく階段。
時だけが流れる。
そんな中、ふと龍の足が止まった。
「来栖には、ずっと、ちゃんと話さなきゃ、って思ってたんだ。
ただ・・・なんか、来栖が責任感じそうだったから、あんまり言いたくなかったんだけど・・・でも、そんな表情されるぐらいなら、ちゃんと話すよ。」
龍は瑠奈に体を向け、視線を少し下に向けた。
「俺は、確かに白鳳の生徒会長だよ。」
龍の言葉に、瑠奈の胸がはねた。
こんなこと、分かっていたはずなのに。
瑠奈は龍のその言葉が、胸に突き刺さった。
分かっていたはずなのに、こうなることは・・・なのに、どうしても龍と距離を感じてしまう。
龍がとても遠くの人になってしまいそうで・・・