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9:始まりの日
運命が動き出したあの日。
意識を失った瑠奈が目覚めたのは、次の日の朝だった。
…眩しい。
障子の隙間から除く太陽の光に目が覚めた。
目が覚めて最初に見えたものは、天井の木目だった。
知らない場所なのに、なぜか恐怖心というものは感じなかった。
障子の外の世界が気になった瑠奈は、外を見てみようと思って布団から立ち上がろうとした。
体を起こした瑠奈は、ゆっくりと立ち上がった。
戸を開けてみると、目の前には立派な日本庭園。
まるで平安時代の立派なお屋敷だった。
周りを見渡せば池などもある。
……ここは…どこ?
全く見覚えのない場所に、瑠奈は呆然と立ち尽くしていた。
ここにいる理由も分からずにオロオロしていると、ふと何かの気配を感じた。
「……誰か…いるの?」
気配の感じるほうへ目を向けると、そこには誰もいない。
だがそこからは確かに気配を感じる。