68/284
11:真偽と証
静かな授業中の教室のドアが、突然開いた。
静かだった教室は、自然とその音に注目するわけで、ノートを見ていた瑠奈も、教室の前のほうのドアを見た。
顔をあげた瑠奈は、驚きのあまり、手に握っていたペンを落としてしまった。
ドアのその先にいたのは・・・・
「ちわーっ・・・ってあれ?まだ授業中やったん?」
おちゃらけたいつもの関西弁少年。
そう、それは啓太だった。
瑠奈は困惑の表情で見ていた。
なんで啓太がここにいるのだろうか。
彼はここの生徒ではないのに。
「きっ君!いったい誰だね!部外者は立入禁止だぞ!」
授業中だった先生が、啓太の姿を見て一瞬フリーズしていたが、ようやく意識を取り戻し、啓太に注意をしだした。