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7:真偽と証
「萱野君、今日風邪で休みだって。」
「昨日はあんまり話せなかったから、今日はアピールしようと思ったのに…。」
一樹が休んだのを聞いて、落ち込む女子生徒。
この中で真実を知っている人は、瑠奈と龍だけ・・・一樹が四季神であることも、一樹が一族を滅ぼしたことも、一樹が兄である一磨を殺したことも。
昨日龍たちが言ったことが、頭の中でぐるぐると渦巻いている。
自分の席に座っていた瑠奈は、左手につけている腕輪を、上からそっと触った。
その腕輪は、昨日龍に渡されたものだった。