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1:真偽と証
ゆっくりと語られた、一樹の裏切り……
悲しくて、辛くて…どうしてって思った。
話しは、一樹が生まれたときから、始まった。
――今から16年前のこと・・
四季神が代々生まれる家は4つあった。
春の力を司る、『桜井家』。
夏の力を司る、『松沢家』。
秋の力を司る、『萩家』。
冬の力を司る、『萱野家』。
4家に4人の男子が同年に生まれることは、月姫の誕生を示し、その4人の男子は、四季神となることが定めとし、代々受け継がれてきた。
しかし、その年の萱野家には、双子が生まれてしまった。
その時生まれた双子の一人が、一樹だった。