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7:裏切り
「大丈夫?」
瑠奈に心配そうな目を向ける龍。
瑠奈は首を縦に振って答えた。
―――まだ、震えてる・・・
瑠奈は自分の震える手を見て、もう一度一樹に目を向けた。
龍たち3人は、瑠奈を自分たちの背中に隠すと、一樹に目を向けた。
その瞬間、一樹の周りに黒い影が現れた。
――・・暗闇・・・
まさにそんな感じだった。
「俺の名は萱野一樹。
月姫、また今度会いましょう。
…今度は…2人だけで…。」
そうして一樹は、暗闇の中に消えた。
辺りはもう、闇に包まれようとしていた。