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5:始まりの日



男の後ろで輝いている月が、その刀の刃を光らせていた。




恐怖から足に力が入らなくなった瑠奈は、その場にしゃがみ込んだ。



ゆっくりと近づいてくる男が持っている刀に、自分の運命を悟った。




男は瑠奈の目の前まで来ると刀をゆっくりと持ち上げた。




「…さようなら、月姫。」



男はそれだけ言うと刀を振り下ろした。




…もう…だめだ。




瑠奈はそう思い目を強く閉じた。





――刹那。




―キーン!―




金属同士がぶつかり合うような音がした。


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