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3:裏切り
3階建ての校舎の階段を上って行く2人。
階段を上りきって、屋上への扉を開けた。
その扉の先には、鮮やかなオレンジ色の夕日が広がってた。
「うわぁ……綺麗…。」
あまりの美しさに、瑠奈は感嘆の言葉をもらした。
誰もいない校舎は静かで、それがさらに屋上から見る夕日を幻想的に見せた。
少しの間夕日に見とれていた瑠奈は、余りの静けさに違和感を感じた。
生徒がいないといっても、鳥や木々のざわめきが全く聞こえない。
――おかしい…
そう感じた瑠奈は、後ろにいる一樹に振り向いた。