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1:親友と転校生
「行ってきます。」
朝食を食べ、秀一達に見送られながら、龍と一緒に桜井家を出た。
桜井家の門は、庭や家屋が立派なように、堂々としていて大きかった。
その門をくぐって、2人は学校へ向かった。
「…あのさ……」
2人で歩いている中、龍が口を開いた。
「…学校では…今まで通り他人のふりをしよう。」
龍は歩きながら言った。
「どうして…?」
龍の言葉の意図が分からない瑠奈は、龍に聞き返した。
「俺と来栖は、月姫と四季神の関係だ。
このことは、他人には知られてはならない。
…もし他人知られれば、何も知らない人達が混乱する。
どこで誰が見ているかも、分からないし。
だから途中までは、一緒に学校へ行こう。
…でも学校に近づいてきたら、お互いバラバラに行こう。」
そう言われた。