29/284
14:春の四季神
「君を守ると言ったのは確かだ。
だが…離れているよりは、できるだけ近いほうがいい。
君を守るためにも、俺の側にいてほしいんだ。」
瑠奈の正面に座っている龍が口を開いた。
「瑠奈様は、お一人で暮らしているのですよね。
やはり一人は何かと危ないでしょう。
一緒に暮らしてくださると、私たちも安心できるのです。」
秀一は瑠奈にゆっくりと話した。
「…お気持ちは嬉しいです。
…でも…守っていただくのに…それに加えて一緒に住むなんて……。」
瑠奈は両手をギュッと握りしめていた。
ギュッと握りしめていた瑠奈の手に、ふわっと温かいものが触れた。