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3:始まりと終わり
「どうですか?
瑠奈様…母上がいた白鳳学園なら、母上の気配に、少しは触れることができるかもしれません。」
―――…記憶を取り戻す可能性は、白鳳学園のほうが強い。
「…私…白鳳学園に通います!」
瑠奈は宣言した。
これが新たな舞台の幕開けだった。
「桜井君…」
自分の部屋に帰った瑠奈は、廊下から月を眺めていた。
すると1つの気配が近づいてくる。
そこに顔を向けると、龍の姿があった。
「どうしたんだ…?」
龍の言葉を聞きながら、月を眺める瑠奈。
「月見てるんだよ。」
瑠奈は明るい声で言った。
「不安なのか?」
龍の言葉に、ビクッと肩を揺らす瑠奈。