280/284
2:始まりと終わり
「実はの、太陽君と話しておったら、興味深い話を聞いてのぉ。」
感慨深げに話していた秀一が、視線を瑠奈に向けた。
「瑠奈様は記憶を取り戻すために、いろいろしておるそうですな。」
首を縦に降る瑠奈。
今だその成果は出ていないが。
「太陽君が言うには、瑠奈様の母上は、白鳳学園に通っていたそうです。」
「えっ…?」
「昔、母さんに聞いたことがあったんだ…ただ、白鳳学園って、いろいろ厳しいだろ。
だから、秀一様に相談したんだ。」
驚く瑠奈に、太陽が説明してあげた。
「そこで、記憶を取り戻すために、白鳳学園に通うのが、1番良い方法かと思いましてね。」
「…ってことは……」
祐輔が確信を得たのか、驚いた顔をした。
「瑠奈様…白鳳学園に転校してみてはどうですか?」
「えっ…?」
驚く瑠奈をほっとき、啓太は1人大喜びだった。
「やった~姫さんと白鳳に通うんや!!
姫さん白鳳の制服絶対似合うで!
はよう見たい!!
あっ、星花の制服もめっちゃ可愛かったで!!!」
目をキラキラさせて話す啓太。
「啓太、黙ってろ。」
祐輔の鉄拳で、啓太は部屋の隅で動かなくなった。