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1:始まりと終わり
―――1週間後
「ほら、皐月も行くよ。」
なかなか桜の木から降りて来ない皐月を見て、太陽が声をかけた。
すると、しぶしぶ皐月は木から降りた。
「みんなが遅いから迎えにきたんだよ。
さあ、秀一様が待ってるよ。」
そう言って太陽は歩いていった。
先頭を行く太陽の後ろを皐月がついていく。
「あの糞ガキ~」
瑠奈のうしろでは、啓太がまだ怒っていた。
「どっちがガキだよ…」
瑠奈は隣を歩く祐輔のため息が聞こえた。
それからみんなで秀一の部屋に向かった。
秀一の後ろに座る、香林、香蘭、珠李。
そして天磨は壁に寄り掛かり、腕を組んで立っていた。
その向かい側に、瑠奈、龍、祐輔、啓太、太陽が座った。
皐月は端っこに座っている。
「よし、みんな揃ったのぉ。」
秀一は部屋を見渡して言った。