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12:春の四季神
同じクラスでも、昨日初めて喋ったばかりの桜井君。
そんな人なのにとても安心する。
・・・信じてみたいと思った。
この安心感も、『月姫』と『四季神』のことが関係しているのだろうか。
瑠奈が昨日からの出来事を振り返っていると、襖の外に気配を感じた。
「おはようございます。
瑠奈様。着替えをお持ちしました。」
「おはよう、珠李。
入っていいわよ。」
外にいるのが珠李だとわかった瑠奈は、珠李に入るように促した。
「失礼いたします。
洗濯しておいた制服が乾きましたよ。」
そう言って珠李は、笑顔でその手に持っている瑠奈の制服を本人に渡した。
「ごめんなさい。
わざわざ洗ってもらって。
ありがとう。」
瑠奈は珠李に感謝の言葉を述べた。
「いえ…お役に立てたのなら光栄です。」
そう言って珠李は、また笑顔を向けた。
制服に着替えた瑠奈は、珠李に部屋へ案内された。
その部屋には秀一と龍がいた。




