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7:守りたい
―――パンッ!
その光は校門の所から真っすぐ一直線に、ちょうど一樹が落ちる地面の所に刺さった。
そこから光が広がり、一樹はその上にゆっくりと落ちた。
「一樹!!」
普段無口な天磨が、誰よりも先に叫び一樹の元へ走った。
地面に横たわる一樹は、天磨に抱き抱えられながら、浅く息をしている。
体中の傷が痛々しく、瑠奈は瞳に涙をためた。
「間に合ったみたいだな。」
一樹の周りに集まっていた瑠奈たちは、後ろから聞こえた声に振り向いた。
「た…い、よう…」
瑠奈は太陽が現れたことに驚いたが、その後ろに立つ人物にも驚いた。
「詳しい話しはあと。
今はその人の怪我の治療が先。」
太陽はそう言った。
確かに早く一樹の手当てをしなければいけない。
天磨が一樹を抱えると、みんなも立ち上がった。
「瑠奈!!」
校舎から瑠奈の名を呼ぶ声が聞こえた。
「…亜由美……」
泣き出しそうな亜由美。