26/284
11:春の四季神
昨日…衝撃的なことをたくさん聞いた。
月姫のこと。
四季神のこと。
桜井家のこと。
…そして自分の運命のこと。
――翌朝
目が覚めた瑠奈は、昨日と同じ天井を見ていた。
…夢であればいいのに。
そう思っても、今自分がいる場所が現実をつきつける。
――昨夜のこと
暗くなり家に帰ろうとした瑠奈は、秀一に呼び止められ泊まって行くように言われた。
暗くなれば、妖魔は動きやすくなる。
いつ瑠奈を襲ってくるか、わからない。
そう言って瑠奈を泊まらせた。
恐怖心もあったため、瑠奈も泊まらせてもらった。
小さい頃両親を亡くした瑠奈は、親戚もおらずただ一人弟がいるだけだった。
そんな弟とも数年前から、お互い一人暮らしをしているため、自由な暮らしだった。
両親が残してくれた遺産のおかげで、苦労もせず暮らしている。