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5:襲撃
「おい!来栖、どうしたんだ……」
ようやくたどり着いた3人は、目の前の光景に言葉を失った。
「なんや……これ?」
啓太がふと発した言葉。
そんな言葉に瑠奈は答えた。
「ねぇ…みんなに話さなきゃいけないことがあったの……1ヶ月前…あの時夢を見たの…」
瑠奈は取り乱さず、平常心で言った。
まるで、なにも考えていないようだった。
「その夢の内容はね…」
そこで瑠奈は言葉を止めてしまった。
「やあ、月姫……君を殺しにきたよ…」
瑠奈たちがいるのは、ちょうど校門のところ。
そこから校舎との間、ちょうど校庭の真ん中に瑠奈の視線は向いていた。
「月姫……君の心臓…ちょうだい?」
背筋がぞくっとするほどの寒気。
それが殺気だと気づいた瑠奈は、左手に触れた。
右手に輝く月華。
瑠奈の後ろに立つ3人も現状を理解したようで、さっと瑠奈の前に立ち、目の前を鋭く見ている。
「…みんな…今は余裕がないの……話は後からでいい?」
瑠奈は月華を両手で握りしめながら、目線は目の前から外さず、3人に言った。