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1:忍び寄る影
『姉さん、強くなりたい?』
そう太陽が聞いた理由が、やっと今…分かった。
―――ごめんなさい…太陽……だから太陽はそう言ったのね…太陽はきっとこの夢を見た……だから…
「来栖!?大丈夫!?」
目が覚めた瞬間、見を乗り出した龍の顔が見えた。
瞳を開けた瞬間、真っ先に見えた泣きそうな龍の顔…
―――また…こんな表情をさせてしまった…
瑠奈は龍の表情を見て、悔しくて右手を握った。
「桜井…君…」
「んっ?どうした?
気分はどう? …えっ!?
なにっ!?おいっ!!
来栖、なんで泣いてるんだよ??」