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8:春の四季神
「さっき月姫とか四季神のこと聞いたばっかりなのに…わかんないよ。
……わかんない。」
瑠奈は困惑していて、自分がどうすればいいのか分からなくなっていた。
瑠奈は泣きそうで、俯いてしまった。
「…私は……死ぬの?
妖魔に殺されるの?」
瑠奈はただ俯いて、涙を堪えるだけだった。
そんな瑠奈の頬に、誰かの温かい手が触れた。
俯く瑠奈の頬に手を添えたのは・・龍だった。
「その様子だと…じい様に話……聞いたんだな。
じい様言ってなかった?
月姫を守るために四季神がいるって。
そして桜井家は春の四季神が生まれる家系だって…」
龍は瑠奈を安心させるために、優しく言った。
「俺は…桜井家の次期当主だ。
そして春の四季神。
俺は月姫……きみを守る。」
龍の言葉は瑠奈の心にストンっ、と入ってきて安心した。
瑠奈は目に溜まった涙を拭った。