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3:今どこに・・・
ふと龍の顔を見ると、瑠奈は気づくことがあった。
「桜井君・・・メガネは?」
そう・・・・龍が学校ではいつもつけていたメガネをしていないのだ。
「ああ、あれ?
もともと白鳳の会長だってバレないためにしてたものだから、今さらもういいかなぁって思って。
それにメガネないほうが見やすいんだよね。」
そう言って龍は空を見上げた。
「うん。メガネも似合ってたけど、こっちのほうがかっこいい。」
瑠奈は無邪気に笑った。
そんな瑠奈の笑顔に
「不意打ちだろ…」
と小さく呟き、顔を瑠奈から反らした。
そんな甘い雰囲気の2人は、いつのまにか校門の前にたどり着いていた。
まだ手を握り続けている2人。
それは、朝の登校時間真っ只中。
2人の姿は目立っていた。