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2:今どこに・・・
「じゃあね、姉さん。」
最後に太陽は昔のように明るい笑顔を向けて去って行った。
―――そうして向かえた月曜日の朝。
いつものように瑠奈は朝食を食べ、学校へ向かうため玄関の扉を開けた。
その先には・・・
「おはよう来栖。」
さわやか笑顔の龍がいた。
「なんで・・・桜井君が?」
「だって、お姫様を迎えに来るのが王子様の役目でしょ?」
龍が当たり前のようにそう返事をするのを聞いて、瑠奈は朝から胸が高鳴っていた。
「ほら、遅刻するからいこ?」
龍はそう言うと、さりげなく瑠奈の手を取り学校へと向かった。
「・・・・・・・」
「・・・・」
無言での登校。
龍に繋がれている左手に意識をすると、顔が赤くなり瑠奈はさらに胸の鼓動が早まった。