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1:今どこに・・・
―――――その後
「じゃあ姉さん。また連絡するよ。」
「太陽・・・・・また一緒に暮らせばいいじゃない。」
別れを告げる太陽に、瑠奈は悲しげに言った。
ようやく分かり合えた兄弟。
「今住んでるマンションのほうが学校に近いし便利なんだ。
それに・・・・前みたいにはならないよ。
ちゃんと連絡もするし、会いにも来る。
だから・・ね?」
そう言って首をかわいく傾げる太陽に、瑠奈は何も言えなくなってしまった。
「弟よ。姫さんのことは俺に任しとき!
絶対1人にせえへんからな。
安心して自分の家戻りや。」
「いや。あんた危険人物№2だから。」
「なんやと!?俺はめっちゃ安全やで!?」
そう言って太陽と啓太は、玄関先で喧嘩をはじめてしまった。
「なんか兄弟みたいだね、あの2人。
そういえば、太陽君が言ってた危険人物№1って、誰のことなんだろうね?」
そう言って見た目爽やか、内心腹黒の策略男、祐輔の言葉に、龍は何も言えずに黙ってそっぽを向いているしかなかった。