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6:春の四季神
「どうして…。」
「いろいろ…事情があってね。」
龍はそう言って、秀一に目を向けた。
学校での龍は、いつも自分の席で本を読んでいる、大人しい子だった。
人を寄せ付けず、いつも一人でいたから。
ただのクラスメイト。
その程度だった。
もちろん喋ったことは一度もない。
そんな彼が今…目の前にいる。
いつもは眼鏡をかけていて、長い前髪で顔を隠してあるのに、今は眼鏡をはずし、前髪を横になびかせ、軽く分け目がある。
端正な顔立ちをしていて、きっと素顔のままで学校に行っていたら、もてただろうに・・・と思った。




