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12:太陽現る
ベッドの上で龍に抱きしめられ、固まる瑠奈。
龍の胸が顔の前にあり、鼓動がかすかに聞こえてくる。
瑠奈は口を開くこともできず、龍に強く抱きしめられていた・・・
「桜井君…?」
と呼ぶと、さらにギュッと抱きしめられた。
行き場のない手をゆっくり龍の背中に回そうとしたとき、ドアの外からどたばたと足音が聞こえてきた。
その音を合図に龍はバッと離れて、ベッドの横に立った。
瑠奈は今自分が何をしようとしていたのかを考えると、顔が赤くなるのを感じて顔に手を当てた。
―――バンッ!!
勢いよく瑠奈の部屋のドアが開いた。
「姫さん!!大丈夫か?!」
そこには息を切らし、額にうっすらと汗を掻いた啓太の姿があった。