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9:太陽現る
「眠ってるだけだよ。」
龍は急に背後から聞こえた声に、瑠奈を左手で抱きしめ、右手で剣を構えた。
暗い路地から出てくる者の姿は、暗くてよく見えないが、声からして男だろう・・・
人間であることも・・確かである。
ただ・・・この男は、いきなり気配も何もないところから現れたのだ。
こんなに近くにいたのに・・・
相手の気配に気づくことができなかった龍は、神経を尖らせた。
「ああ、そんなに警戒しないで。
俺はあんたの敵じゃないから。
つーか、瑠奈早く休ませてあげなよ。
そんなに強く抱きしめて、瑠奈苦しそうじゃん。」