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8:太陽現る
さっきまでまっすぐな瞳で自分のことを見つめてくれていた瑠奈が、今は重く瞼を閉じ、その場に倒れていたからだ。
いつも向けていてくれるあの笑顔が、なくなっていた・・・
「来栖っ!!」
龍は急いで瑠奈のもとに駆け寄り、瑠奈を抱き上げた。
「おいっ!!来栖っ!
どうしたんだ?!」
叫んでも瑠奈の目が龍を見ることはなく、その瞼は閉じられたままだった。
だかすかに聞こえる呼吸と、小さく上下する胸に生きていることが分かった。
でも、あの笑顔を、その声を・・・
「来栖・・・・」