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3:太陽現る
異変を素早く察知した瑠奈。
瑠奈が立ち止ったのを感じた龍は、少し後ろにいる瑠奈に振り返った。
だが龍もその気配をすぐに感じ取り、瑠奈に駆け寄った。
龍はすばやく背後に瑠奈を隠し、左手の春彩に軽く触れた。
龍が春彩に触れた瞬間、そこから光が輝きはじめ、気がつけば龍の右手には、瑠奈が龍と出会ったときの、あの剣が握られていた。
瑠奈はその光景に驚いていた。
しかし驚くのは、まだまだ先だった。
気がつけば瑠奈たちは、あの黒い影に囲まれていた。
その影は闇よりも暗い。
瑠奈も左手に触れ、その名を呼んだ。
「月華!」