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3:春の四季神
「香林!!来栖はここにいるか!?」
そう言って勢いよく少年が入ってきた。
「これ!!龍!瑠奈様の前で無礼だぞ!」
秀一は少年に向って叫んだ。
「悪ぃ。来栖…目が覚めたんだな。…よかった。」
その少年は瑠奈に向って笑った。
「…えっと……。」
瑠奈は知らない少年が、自分に向って笑っているのを見て戸惑っていた。
「龍様。…瑠奈様が戸惑っておりますわ。
まずは座って…自己紹介でもされたらどうですか?」
瑠奈の様子を見かねた珠李が、助け舟を出してくれた。
「ごめん、ごめん。
来栖…俺のことわからないよな。
じゃあ…まずはおれの自己紹介だな。」
そう言って龍は瑠奈の右斜め前に座った。