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1:春の四季神
―今から約1300年前―
時は平安。
貴族の時代から存在していた桜井家は、闇の世界である仕事をしていた。
その仕事とは、『四季神』 。
四季神とはその名の通り、春夏秋冬の力を使える者達のことだった。
桜井家はその内の一つ、『春』の力を持つ者が生まれる家系だった。
四季神の役割とは、『月姫』の守護者として月姫を守ること。
『月姫』とは、月の力を持って生まれてくる者だった。
月姫の持つ力は、強大で妖魔をおびき寄せた。
その力を欲しがり月姫の命を狙う妖魔は多かった。
どこに産まれてくるかも分からない月姫は、常に危険にさらされていた。
そんな月姫を守るために誕生したのが、『四季神』。
昔から月姫が誕生するたびに、四人の四季神も共に産まれてきた。