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2:かすかな光
さっきから車が進むに連れて、自分の中で何かがうごめいている。
頭の隅に微かに映る映像は、一体なんなのだろうか?
「来栖。
もう着くから…あとちょっと我慢してくれ…」
隣に座る龍は、瑠奈の頭を軽く撫でると、瑠奈の頭を自分の胸へと引き寄せた。
一気に赤くなる瑠奈に、龍は全く動じず
「こっちのほうが楽だろ。
少しだけ寄り掛かってろ。」
そう言って、また瑠奈の頭を撫でた。
「ありがと…」
瑠奈は目を閉じたが、眠れなかった。
頭の中に声が響いた…