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13:始まりの日
「私はこの屋敷の主。
桜井秀一と申します。」
…秀一さんってなんかオーラがすごい。
…若いときはモテただろうなぁ。
瑠奈は秀一の自己紹介のとき、そんなことを思っていた。
確かに秀一は今、60歳を越えたおじいちゃんだが、若いときは美少年だった面影があり、凛々しい顔立ちをしている。
「そして次は
香林。
香蘭。
珠李。
天磨です。
4人とも私の式として、いろいろ助けてくれています。」
「……式…?」
秀一の言った単語の意味が分からず瑠奈は首を傾げた。
「瑠奈様は陰陽師を知ってますかな?」
秀一が尋ねたことに瑠奈は首を縦にふった。
陰陽師はこの前の日本史で少しだけ習った。
「代々桜井家は陰陽師をしておるのです。
そして桜井家に仕えているのが、彼ら式なのです。」
秀一は4人をぐるりと見回した。