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12:始まりの日
「お目が覚めたようで安心しました。
さあこちらへお座りください。」
部屋の真ん中に座っている老人は、瑠奈に優しく微笑みがら座るように言った。
瑠奈は言われた通り老人の前に座った。
瑠奈の左側には3人がいた。
様々な視線を感じながらも、瑠奈は老人に尋ねた。
「…あなたは…私の運命を知ってるんですか?
…私の身に……今何が起こっているんですか?」
瑠奈の言葉に老人は目を閉じ、そしてゆっくりと開いた。
その視線はまっすぐ瑠奈に向けられていた。
「落ち着いてくだされ。
まずは私たちの自己紹介をさせてください。」
老人の言葉に瑠奈は首を縦に振った。
確かに相手の名前を知らないと、どう呼べばいいのか分からず困ってしまう。