11/284
11:始まりの日
『自分の運命』
もしそれを聞いた時の自分は、きっと今までみたいに暮らすことはできないだろう。
そう心の片隅で思っていた瑠奈は、香林の顔をまっすぐ見つめて言った。
「…私は……今の状況を全く出来てない。
…自分の身に何が起こっているのか知りたい。」
瑠奈の言葉を聞いた香林は、先ほどと変わらない笑顔で、瑠奈に自分についてくるように促した。
香林について行きながら、瑠奈はこれからの自分の運命を聞く覚悟をしていた。
香林について行くと、一歩ずつ足を進めて行くたびに、気配が多くなっていくのを感じた。
突然香林が足を止めた。
香林が止まったのは、一番気配が多い部屋だった。
「こちらです。」
そう言って香林は扉を開けた。
扉を開けた先には老人と、香林と同じ気配がする者が3人いた。