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17:白鳳高校の会長
それから1週間ほど、龍の送り迎えが続いた。
学校の生徒達は、毎日続く龍の送り迎えに、段々と慣れてきたのか、最初のような悲鳴は上げなくなった。
瑠奈も慣れてきたのか、龍の隣にいることに抵抗はなくなってきた。
ただ1つ、胸が高鳴ることは収まらなかった。
亜由美は毎日瑠奈を冷やかしているが、瑠奈は何も言うことができなかった。
何を聞かれても、どういう関係なのかと尋ねられても、ずっと流していた。
―――私と桜井君の間には、月姫と四季神の関係だけ・・・
だから桜井君は、いつも私のそばにいてくれるんだ・・・・
もし私が月姫じゃなかったら・・桜井君は、私のそばにいてくれたのかな・・・
私を・・見つけてくれたのかな・・・
龍の後姿を見つめながら、瑠奈の心に1つのとげが刺さった・・