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16:白鳳高校の会長
「俺の正体ばれちゃったから、朝言ったことは忘れて。
もう堂々と来栖に話しかけるから。」
瑠奈の気にしていたことが分かった龍は、そう言うと瑠奈の手を握って歩きだした。
「さっ桜井君!?」
突然手を握られた瑠奈は驚いたが、そんな瑠奈を無視して龍はどんどん廊下を進み、いつのまにか校門まで来ていた。
龍は一言も話さず、どんどん道を進んでいった。
学校が終わって、生徒が帰ったとはいえ、まだまだ生徒は残っている。
2人を見つめる生徒達は、近くにいる生徒同士で、こそこそと噂をしている。
瑠奈は何が何だか分からず、ただ瑠奈についていくしかなかった。