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15:白鳳高校の会長
授業も終わり、自分の席を立つ生徒が多くなる中、瑠奈もかばんに教科書を入れ、帰り支度をしていた。
亜由美は用事があると先に帰ったため、瑠奈も帰ろうとしていた。
「来栖・・・・」
自分の名前を呼ぶ声が聞こえた瑠奈は、声のするほうへ顔を向けた。
聞いたことのある声。この声は・・・
「桜井君・・・」
そこには龍がいた。
「家まで送ってく。」
そんな龍の言葉に、瑠奈は戸惑った。
「えっ!?いいよ!
悪いし……それに……」
龍は学校で瑠奈との関わりを伏せていた。
瑠奈はそんな龍の朝の言葉を思い出して断った。