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10:白鳳学園の会長
授業が終わり、廊下にもちらほらと、生徒たちの姿があった。
さっきの噂が広まったのか、廊下を歩く生徒たちもは、2人に視線を向けていた。
様々な場所から、こそこそと噂をしている声が聞こえる。
そんな様子を全く気にせず、龍は教室までの道のりを歩いた。
横に視線を向けず、背筋をまっすぐに伸ばし、堂々と歩いている龍は、さすがは白鳳高校の生徒会長だ。
眼鏡をかけ、髪もぼさぼさの、優等生の龍。
眼鏡をはずし、優しく笑いかけてくれる、普段の龍。
そのどちらにも、今の龍の様子は、当てはまらない。
そんな龍に、瑠奈は悲しくなった。
だんだん龍が、遠くの人になってしまいそうで・・・