(4)
なんてこと言ってる間に、宙奈は既に行動をおこしていた。
ある図書委員の仕事がある日のことだ。
宙奈は言った。
「いい、あたしは今からトイレに行ってくるから、怜香は駆くんと手をつなぐくらいはしなさいよ。」
なんてことだ。
私ははっきり言って、オクテだ。
だいたい、嫌だ。
「ふふふ、いつもより長めに入ろうかなぁ。」
「はぁ……………………。」
宙奈の行動には呆れた。
いやだ。継原なんて。中3なのに、中2みたいにニヤニヤしてるバカなんて。
一人で嘆いていると、掃除が終わった継原がやってきた。
「待った?それより遠崎は?」
来て一番に心配するのがそれかよ。
何故一人でしょぼくれる私を心配しないんだ。
「おい、古滝、遠崎はどこだって言ってんだよ。聞いてんのか?」
「…死ねよ。」
「何か言った?」
「…何でもない。」
もしかして継原、宙奈が好きなの?
はっきり言って、私、誰かのキューピッドみたいなのすげー嫌なんだけど。
その脇役ポジション&展開の安っぽさが特に。
「ま、いいや。仕事しようぜ。」
継原は私の方を見もせずに言った。
「はぁ…」
宙奈は帰らない。
「ごっめん!!待たせちゃった…ってアレ?何この空気。今頃怜香と駆くんが近づきがたいラブラブ状態で待っているはずなのに!」
宙奈、頼むから今は、継原の名を一言たりとも言わないでほしい。
「どこ行ってたんだよ遠崎。俺、ずっと待ってたんぜ!」
黙れ!!!!!!!!!!!!!!
鬱陶しい。
なぜあんたらは、私が一番嫌がった状態をいとも容易くつくりあげられるんだ!
本当に青春ドラマみたいな展開が嫌いな私は、一人怒ってしまったのだった。
あいつら、調子にのっている。
マジで。
作者は青春ドラマ&ジャニーズが大嫌いな、頑固な人間です(^^;)