(2)
新学期での委員決めでの悲劇から、3日がたった。
何を言おう、宙奈と私の初仕事の日だ。
重い足取りで図書室へ向かう。
そこには、掃除をサボって30分は前に来ていたであろう宙奈が待っていた。
「遅いじゃない!掃除なんかにあんたは精を出さなくていいの!!」
わかってます、そんなこと。
「とにかく、ちゃっちゃと仕事しちゃおう!」
そう言って、とびきりの営業スマイルをつくり利用者を待ち構えた。
私が男だったら惚れる。
い、いや、さりげなくなんてこと言ってるんだろ。
ほぼ無人の館内は、しんと静まり返っていた。
数十分後。
カウンターでの見えないお客とのやりとりに疲れたのか、宙奈はおもむろに、ポケットに手を突っ込んだ。
そして、何かを某キャラクターのように、堂々と取り出した。
パパパパッパラー、と効果音がしそうだ。
「それ、何………」
それは不思議な道具ではなく、紛れもなくビスケットだった。
小袋に、薄いビスケットが三枚入っている。
「まさか食べる気じゃないよね?だって図書館は飲食禁止だs」
「だれもいないんだから構わないでしょ。」
…ふーん。食べちゃいけないってことは分かってたんだ。
宙奈は袋を開け、どんどんビスケットを食べはじめた。
「はぁ…」
私の溜め息と、宙奈がビスケットを食べるサクサクという音だけが、図書館に響き渡る。
「あんたも一枚食べる?」
宙奈が差し出したビスケットを、私は静かにつまんだのだった。
虚し。
これからはこの作品の作品名を「図書ビス」と表記します♪
これはあるヤバいヲタの友達に、小六の時ハルヒを読まされて汚染された後、初めて書いた小説です。
だから一応だけど影響受けまくり(笑)
私の作品の「ななほしてんとう」よりずっと後に書いたんです。
ちなみに「ななほしてんとう」は小六の10月くらいに、「図書ビス」は中一の4/14から…←これ、正確な数値ですww