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「ふええぇぇえ!?」



駆の奇声が響く。

目の前には、いつも通りの駆がいた。


それに少しほっとする。


あの真面目モードだと……なんか話しづらいから。


「いやいや、怜香様、さすがにそれは無いでしょ。そこは余韻を楽しむんでございまするよ。二人で。二人きりで!!」

様づけだし、所々言葉づかいがおかしいが……あえて無視して、私は続けた。

「とにかく、さっきも言ったけどあたしは急いでんの。」

「……はいはい。」

駆が仕方なく降参した瞬間、私は彼の横を超高速ダッシュで駆け抜けた。






「……怜香!?なんであんな急いでんだ……?」


一人、突如置いてきぼりにされた駆は、そうポツリとつぶやいた。



久しぶりに全速力で走ったので、さすがに息が切れた。


頭の中には、キサメの「あと5分」という言葉がまだ響いていた。さっき駆が「はいはい」と言った瞬間、この声が突然頭に響いたのだ。

間に合ったのだろうか……………

びくびくしながら図書室の扉に手をかける。


もし間に合っているなら、今日、図書委員会が当番の宙奈(そな)が居るはずだ。間に合っていないなら……


手に力を入れ、扉を押す。



見慣れた暖かい景色と、適度に空調の利いたほんわりした空気。



そして鼻をくすぐる、甘く小麦のような匂い。



サクサクと小刻みに室内に響く音。これは…………




「宙奈!?」


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