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めくるめく日々。去年も一昨年もおんなじ繰り返し。ということで、春の委員会決めが始まった。

「えー、いないので、後でまた聞きます。」

次。五六人の手が挙がったのは、保健委員。

「じゃあじゃんけんして下さい。」

ぞろぞろと立ち上がる皆さん。そして勿論次は………「次ー。図書委員」

「ほぁい!」やっぱり。

振り向くと、3B名物の本好き萌え眼鏡っこ…ではなく、3Bのある意味名物、宙奈(そな)が、立ち上がりピンと天井をついていた。

凛とした瞳。

短い髪をちっちゃくふたつに結んだヘアは、遠崎宙奈そのものだった。

小顔なのが、ちょっと羨ましい気もする。

「あたしが、やります。」

やけにきっぱりと言い切っていた。

鋭く瞳が光っている。

「じゃあ…もう一人は…古滝さんね。」

宙奈に気圧されつつも、実はやりたかった図書委員に挙手した私は、何か申し訳ないような気持ちになった。

古滝怜香(れいか)

クラスで草食系だけどなんとか生きていける奴。

それが私だ。

「やっちゃったな…」

と感じ力が抜けた状態のまま、いつのまにか委員は全て決まり、休み時間になっていた。


「そなっち!!宿題見せて!!」

「もー、駄目だよ詩織ちゃん。先生まだいるじゃん!!移させてあげるけど。」

「ありがと、助かったあ。」

そんなやりとりをする宙奈を横目に見ながら、私は気まずい休み時間を過ごしていた。

机に突っ伏しながら、

宙奈と同じ委員にしてしまった破滅行為&何故に宙奈が人気なのか について考えていた。

でもそんな疑問に、私は。

結局は、

自分がしたいことを貫き通したから&明るくて言ったことは絶対守る忠実な性格で、しかも可愛く勉強もできるから

というやや悲しい結論を出してしまい、解いてしまうことを私は知っている。

世の中、知らない方がいい、気付かないままの方がいいものがあるんだってことも、流石(さすが)に中3になれば分かる。

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