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pro.~神々のもう一つの名~

「―――こう()って見ると、だいぶ減ったな」



思兼(オモヒカネ)は、以前に天岩戸の件で集めたメンバーを再び呼んだ。以前と同じ処で。


今回は実に協力的な者しかいない。伊斯許理度売命(イシコリドメノミコト)玉祖命(タマノオヤノミコト)、そして天宇受賣(アメノウズメ)。半数以上が欠席という現実をしみじみと感じる。

「私の人望の無さ故か・・・・・・」

「「「何を今更」」♪」

思考を巡らすいつもの真面目な表情で、サラリと冗談を()ってみる。だが全員から即肯定され、おい!と思兼は泣きそうな声で叫んだ。

相変らずゆがみない、厳選されたメンバーが此処に残されている。此奴等も、少しは染まれよ揉まれろよという気もしなくはないが。


「いつも一緒にいるたぁ~ちゃんは?」

「たぁ~ちゃんんんん?」


(これ)も年の功なのか、あらゆる意味で最もゆがみない最強な神様代表の伊斯許理度売が、叉も自分しか特定の出来ぬ渾名で話を進める。玉祖は年寄りに振り回される孫の如き混乱っぷりでツッコミ半分に訊き返す。之ではまるでジャングルの王者みたいではないか。


思兼は恥らう様に目を細めつつ

「・・・手力男(タヂカラヲ)は現在所用に出している。(パス)は繋がっているから伝達は可能だ」

と、ストレートに云った。

混ぜっ返しては話を脱線させるまさに“ゆがみなさ”が、今は“ゆるぎない”と、残ってくれた神神を心強く感じる。

心なしか張り詰めていた思兼の空気が、少しだけ和らぐ。


「“パス”とは何だ?」


神といえども霊能に疎い玉祖はぴくりと眉を跳ね上げる。天宇受賣は頬に手を当て、今や立派な当主の顔となった男を見つめた。

―――・・・云うのね。

高木の秘密を。思兼と手力男の関係を。己に課された、産み落されて以来の宿命を。

でも其が、天照(アマテラス)の企みとどんな関係があるというのだろう―――?



「今回は高木家代表として、皆に詫びておかねばならない事がある。集まりの悪い(メンバー)に関してだ」

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